よくある質問

アスベスト(石綿)とは何ですか?なぜ危険なのですか?

アスベストとは天然に産出する繊維状のケイ酸塩鉱物の総称です。耐熱性・耐薬品性・防音性に優れるため、2006年に製造・使用等が全面禁止されるまで多くの建築材料に使われていました。飛散したアスベスト繊維を吸い込むと、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫、肺がん等を引き起こす可能性があり、潜伏期間は20〜50年と長いのが特徴です。

アスベストは全部で何種類ありますか?

厚生労働省のアスベスト分析マニュアルでは6種類が定義されています。蛇紋石族のクリソタイル(白石綿)と、角閃石族のアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、トレモライト、アクチノライト、アンソフィライトの計6種類です。当社の300,000検体超の分析実績では、検出されるアスベストの大多数をクリソタイルが占め、次いでアモサイトが多い傾向にあります。

アスベストの定性分析と定量分析の違いは何ですか?

定性分析はアスベストが「含まれているか否か」を判定する分析方法で、改修・解体工事前の事前調査では通常こちらで足ります。定量分析はどのくらいアスベストが含まれているか「含有率(重量%)」を測定する方法で、廃棄物の処理区分判断や補助金・助成金の申請要件を満たす際などに必要になります。定量分析は必ず定性分析を経たうえで実施されるため、初期段階ではまず定性分析を行います。当社ではJIS A 1481-1による定性分析とJIS A 1481-5による定量分析を主力サービスとして提供しています。

JIS A 1481-1とJIS A 1481-2の違いは何ですか?どちらを選べばよいですか?

JIS A 1481-1は国際規格ISO 22262-1をJIS化した偏光顕微鏡法です。層別分析が可能でアスベスト含有層を特定でき、推定質量分率(0.1-5%/5-50%/50-100%)も算出可能です。分析者の高い力量が必要です。JIS A 1481-2は位相差分散顕微鏡・X線回折法・分散染色法を用いる日本独自の方法です。試料全層を粉砕するため含有層の特定が困難で、含有量が希釈されて非含有と判定されるリスクがあります。当社はJIS A 1481-1を採用し、偏光顕微鏡70台・分析技術者70名以上の体制とAI導入等の仕組みを用いて、高精度な分析を実施しています。

アスベスト分析で使用する機器にはどのようなものがありますか?

主な分析機器は、実体顕微鏡(試料の外観観察)、偏光分散顕微鏡(アスベストの光学的特性の判定)、X線回折装置・XRD(結晶構造の同定)、走査型電子顕微鏡・SEM-EDX(微細構造と元素組成の確認)などです。当社ではこれら3種類の分析機器に加え、AIによるXRDスペクトルのスクリーニングと300,000検体超の統計データとの比較分析を組み合わせた多角的チェックプロセスを採用しています。

アスベスト事前調査は法律で義務付けられていますか?

工事の内容によって法律で義務付けられています。2022年4月より大気汚染防止法および石綿障害予防規則に基づき、建築物の解体・改修工事前の事前調査と一定規模以上の工事には国のシステムへの結果報告が義務化されました。さらに2023年10月からは「建築物石綿含有建材調査者」等の有資格者による調査が必須となっています。事前調査の義務に違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

2006年9月1日以降着工の建物でもアスベスト調査は必要ですか?

着工年月日が2006年9月1日以降であることが書面で確認できれば、目視調査・分析調査は省略可能です。ただし、着工年月日を確認する作業自体は書面調査の一部であり、事前調査報告書の作成・提出は省略できません。なお、着工年月日の確認のみであれば建築物石綿含有建材調査者の資格は必須ではありません。

「みなし含有」とは何ですか?分析しなくても良いのですか?

「みなし含有」とは、アスベストの含有有無が不明な建材を「含有あり」とみなして工事を進める方法です。分析調査は不要になりますが、書面調査・目視調査・事前調査報告書の作成と提出は省略できません。また、アスベスト含有建材として扱うため、除去工事の費用が割高になる可能性があります。当社の統計データでは、特に内装工事やリフォーム工事において、建材種類によっては「みなし含有」より分析を行った方がトータルコストを抑えられるケースが多くあります。

アスベストが含まれやすい建材・部位はどこですか?

代表的な含有建材・部位は以下の通りです。吹付け材(天井裏・鉄骨の耐火被覆)、保温材(配管・ダクトの被覆)、成形板(天井材・壁材・床材・屋根材)などが挙げられます。注意が必要なのは、天井裏・外壁面・グラスウール断熱材の裏など隠蔽部にアスベスト含有材が存在するケースも多い点です。

アスベスト分析の結果、含有が判明した場合はどうすればよいですか?

アスベストの含有が確認された場合、レベル(1〜3)に応じた適切な措置が必要です。レベル1(吹付けアスベスト)は最も厳格な除去工事が求められ、レベル2(保温材等)、レベル3(成形板等)の順に措置が異なります。いずれも専門の除去業者への依頼と、大気汚染防止法に基づく届出が必要です。

アスベスト調査・分析に使える補助金はありますか?

多くの自治体が、建築物の解体・改修に伴うアスベスト調査費用について補助金制度を設けています。補助対象、補助金額、申請方法は自治体により異なります。国土交通省の住宅・建築物安全ストック形成事業として交付金制度もあります。具体的な条件は工事予定地の市区町村窓口にお問い合わせください。

検体の採取は誰でもできますか?資格は必要ですか?

解体・改修工事に伴う法定の事前調査として検体を採取する場合は、2023年10月以降「建築物石綿含有建材調査者」等の有資格者が行う必要があります。個人が自主的に採取した検体の分析依頼は受付可能ですが、その報告書を行政や工事業者に正式書類として提出する場合、有資格者による採取でないことを理由に受理されない可能性があります。正式な工事目的の場合は有資格者による採取をおすすめします。

アスベストのレベル1・2・3とは何ですか?

アスベスト含有建材は発じん性(飛散しやすさ)に応じて3段階に分類されます。レベル1は吹付けアスベストで、発じん性が最も高く最も厳格な除去工事が必要です。レベル2はアスベスト含有の保温材・断熱材・耐火被覆材で、レベル1に準じた措置が求められます。レベル3はアスベスト含有成形板等で、発じん性は比較的低いものの適切な飛散防止措置が必要です。レベルにより除去工事の工法・費用・届出要件が大きく異なります。

「推定質量分率」とは何ですか?

推定質量分率とは、JIS A 1481-1(偏光顕微鏡法)による定性分析で算出できる、おおよそのアスベスト含有量の区分です。0.1〜5%、5〜50%、50〜100%の3段階で表示されます。正確な含有率を求める定量分析ほど精密ではありませんが、除去方法の選定や費用見積もりの参考として実務上有用な情報です。

層別分析とは何ですか?メリットは?

層別分析とは、建材の各層を分離してそれぞれのアスベスト含有有無を調べる分析方法です。JIS A 1481-1(偏光顕微鏡法)で対応可能で、アスベストが含まれている層を特定できます。これにより、除去が必要な範囲を最適化でき、工事コストの削減につながります。JIS A 1481-2では試料全層を粉砕するため、層別分析には対応できません。当社はJIS A 1481-1を採用しているため、層別分析に標準対応しています。

今後アスベスト分析の需要はどうなりますか?

高度経済成長期(1960〜1980年代)に建てられたアスベスト含有建築物の老朽化が進み、解体工事は今後ピークを迎えるとされています。これに伴い、アスベスト分析の需要も増大が見込まれます。当社では増大する需要に対応するため、浜松・福岡・仙台に分析ラボの拠点を用意しており、営業拠点は7ヶ所に拠点があり、全国をカバーする調査・分析体制を提供しております。