アスベストを含む珪藻土製品の問題とは?見分け方・処分方法も解説

2020年に、バスマットやコースターなどの珪藻土製品から、基準値を超えるアスベストが検出され、大きな問題となりました。自宅に珪藻土製品がある場合、「安全かどうか心配だ」と感じる方もいるでしょう。
この記事では、アスベストを含む珪藻土製品の問題の経緯、珪藻土製品にアスベストが含まれている理由、見分ける方法、アスベストを含む珪藻土製品の処分方法などについて解説します。正しい知識を身につけて、適切に対処するための参考にしてください。
【本記事の要約】
・珪藻土自体にアスベストは含まれず、製造過程で混入した可能性がある
・珪藻土製品のアスベスト含有の有無は、販売店や商品名を確認することで判別可能
・アスベストを含む珪藻土製品の処分は、販売店やメーカーの自主回収制度を利用するのが安全
アスベストを含む珪藻土製品の問題とは

アスベストを重量の0.1%を超えて含む製品は、2006年9月以降は、製造、輸入、譲渡、提供、使用が法律で禁止されています。ところが2020年に、珪藻土バスマットなどから、基準値0.1%を超えるアスベストが検出されました。以後、明らかになったアスベストを含む珪藻土製品の問題とは何なのでしょうか。問題の経緯と、珪藻土製品にアスベストが含まれている理由について解説します。
問題の経緯
2020年に、輸入して販売されていた珪藻土バスマットなどの製品に、アスベストがその重量の0.1%を超えて含有されていたケースが、複数確認されたことを厚生労働省が発表しました。
特に、大手ホームセンターが販売していた製品が対象となったため、社会的影響が大きく、消費者の間に不安が広がりました。
厚生労働省は、関係業界に対して一斉点検と使用中止を要請し、対象製品の全数回収を指導しました。市場流通品のサンプルを買い取り、アスベスト分析調査も行いました。
さらに、関連する法令の改正を行い、以下のことを義務付けました。
・製品輸入時には、アスベストに関する分析結果報告などを取得して、アスベストが基準値を超えていないことを示すこと
・製品を製造、輸入した事業者は、アスベストを基準値を超えて含有していることを知った場合には、所轄労働基準監督署長に報告すること
珪藻土製品にアスベストが含まれているかどうか見分ける方法

珪藻土製品にアスベストが含まれているかどうか見分けるには、販売店や商品名を手がかりに確認する以外に判別方法はありません。販売店・商品名がわからなければ、専門機関で分析を行わない限り、アスベストの有無を正確に判別することは困難です。それぞれについて詳しく解説します。
販売店・商品名によって見分ける
珪藻土製品にアスベストが含まれているかどうか見分けるためには、販売店・商品名を確認しましょう。販売店やメーカーは、それぞれ自主回収や返金対応を行っています。
例えば、ニトリは回収対象となる珪藻土製品を示し、カスタマーサポートに連絡してもらえるように呼びかけています。また、カインズでも同様にカスタマーサービスへの連絡を求めています。
メーカーである堀木工所は、製品を自主回収し、問題のない相当品と交換しています。不二貿易による輸入品を販売していたヤマダ電機は、自主回収・返金対応を行っています。
詳しい回収方法や返金対応は、販売店やメーカーのウェブサイトで確認しましょう。
販売店・商品名が分からなければ難しい
珪藻土製品の販売店・商品名が分からない場合もあるかもしれません。専門機関に分析を依頼しない限りは、アスベスト含有の有無を見分けるのは難しいでしょう。
アスベストの含有可能性がある製品をお持ちの方は、まず自治体に相談し、適切な対応方法を確認することをおすすめします。
アスベストを含む珪藻土製品の処分方法

珪藻土バスマットにアスベストが含まれていたとしても、一般的な使い方をしている限りは、飛散するリスクはありません。
ただし、製品を削ったり、落として割ったりした場合には飛散する恐れがあるため、取り扱いには注意が必要です。
特に、珪藻土製品の中には、やすり等で定期的に削り、吸水性を保つことを推奨する製品があるため、削ることは避け、安全な状態を保ちましょう。
アスベストを含む珪藻土製品を処分する際には、販売店やメーカーに問い合わせて、自主回収制度を利用しましょう。回収対象の店舗に持ち込むことで、適切に回収してもらえます。持ち込みが難しい場合でも、郵送・訪問回収などの対応が用意されていることもあります。必ず販売店に確認しましょう。
アスベストを含む珪藻土製品は安全に処分しよう
アスベストを含む可能性のある珪藻土製品は、自分で判断して処分するのではなく、販売店やメーカーに問い合わせ、自主回収制度を利用して安全に処分しましょう。
アスベストの有無を正確に判断し、適切な対策を講じるには、専門機関によるアスベスト分析が不可欠です。アスベスト調査・分析には、専門的な知識が必要であるため、信頼できる業者に依頼しましょう。
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1980年静岡県浜松市生まれ。2003年に東海大学海洋学部水産資源開発学科を卒業後、2004年に日本総研株式会社へ入社し、分析・環境分野でのキャリアをスタート。2011年には同社の原子力災害対策本部長に就任。その後、世界最大の分析会社グループEurofins傘下の日本法人にて要職を歴任。2017年にユーロフィン日本総研株式会社、2018年にはEurofins Food & Product Testingの代表取締役社長に就任。さらに、埼玉環境サービス株式会社取締役、ユーロフィン日本環境株式会社の東日本環境事業及び環境ラボ事業の部長も経験。2021年にアルフレッド株式会社を創業し、代表を務める。特定建築物石綿含有建材調査者、環境計量士(濃度)、作業環境測定士(第一種)、公害防止管理者(水質一種)の資格を保有し、20年以上にわたる環境・分析分野での豊富な実務経験と専門知識を活かし、持続可能な環境構築に貢献。
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