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2024.07.08
アスベストレベル1〜3の違いとは?アスベストの危険性・レベル別の除去方法をご紹介

アスベストは、その飛散の危険性に基づいてレベル1から3に分類されます。
それぞれのレベルによって除去作業の難易度や費用が異なります。

この記事では、アスベストのレベルごとに使用されている場所や除去費用について詳しく解説します。

アスベストとは


アスベストは、自然に作られる繊維状の鉱物で、「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。

かつてアスベストは「奇跡の鉱物」とも呼ばれ、耐熱性や耐摩擦性などの優れた特性から建材や断熱材として広く使われていました。

しかし、その繊維が極めて細かく、吸い込むことで健康被害を引き起こすことが明らかになり、2006年に全面的に使用が禁止されました。

アスベストの危険性

アスベストは非常に小さな繊維であり、吸い込むと肺に刺さり、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。アスベストによる健康被害には、肺がん、悪性中皮腫、じん肺などが挙げられます。

これらの病気は、長期にわたってアスベストを吸引した結果として発症することが多く、重症化するリスクが高いです。また、アスベストは建材として使用されていたため、建物の解体や改修時に飛散するリスクがあります。

そのため、解体や改修作業を行う際には、事前にアスベストの有無を調査し、適切な対策を講じることが必要です。


アスベストレベルの分類

アスベストの発じん性

発じん性とは、特定の物質が粉塵として空気中に放出される性質のことを指します。アスベストにおける発じん性は、アスベスト繊維がどれだけ容易に空気中に飛散するかを表しており、除去作業や取り扱い時のリスク評価において非常に重要な指標です。

アスベストの発じん性は、その形態や物理的特性によって大きく異なります。アスベストは非常に細かい繊維状の鉱物であり、これが空気中に飛散すると、吸い込んだ人の肺に刺さり、長期的(例えば3年など)に吸引し続けてしまうと健康被害を引き起こす可能性があります。発じん性が高いほど、アスベスト繊維が空気中に放出されやすく、飛散リスクが高まります。

アスベストは、その飛散性に基づいてレベル1から3に分類されます。レベル1が最も危険であり、発じん性が著しく高いとされています。レベル2は発じん性が高く、レベル3は発じん性が比較的低いです。

これらのレベルは、アスベストの飛散リスクに応じて設定されており、各レベルに応じた適切な飛散防止策が求められます。

・レベル1
発じん性が著しく高い。綿状のアスベストが含まれており、解体時に繊維が飛散するリスクが高い。

・レベル2
発じん性が高い。保温材や耐火被覆材などが該当し、密度が低く、崩れると飛散する恐れがある。

・レベル3
発じん性が比較的低い。硬い板状の建材が多く、割れにくいため飛散リスクが低いが、注意が必要。

レベル1のアスベスト:特徴と除去方法

特徴 

レベル1は最も危険なアスベストで、発じん性が常に高いです。アスベスト吹き付け材や石綿含有ロックウール吹き付け材などが該当します。

これらの材料は、主にエレベーター周りや耐火建築物の梁・柱、立体駐車場の天井、ビルの機械室などに使用されています。

除去方法 

レベル1のアスベストを除去する際には、厳重な飛散対策が必要です。作業員は防護服や防じんマスクを着用し、作業場の隔離や清掃、クリーンルームの設置が求められ、薬液で飛散を防止する封じ込め工法や板材で密閉する囲い込み工法も利用されます。

レベル2のアスベスト:特徴と除去方法

特徴 

レベル2のアスベストは発じん性が高く、石綿含有保温材や耐火被覆材、断熱材などが該当します。これらの材料は、ボイラーの本体部分や配管、柱や壁の耐火被覆材、屋根用折板裏断熱材、煙突用断熱材、空調ダクトの保温材などに使用されています。

除去方法 

レベル2のアスベストを除去する際も、レベル1と同様に厳重な飛散対策が必要です。作業員の保護具はレベル1に比べて簡易的なものになりますが、看板での注意喚起や作業場の清掃は欠かせません。また、配管ごと切断するなど、アスベストが飛散しない方法で除去することが求められます。

レベル3のアスベスト:特徴と除去方法

特徴 

レベル3のアスベストは、レベル1とレベル2に比べて発じん性が比較的低いです。硬い床材や壁材、スレートやビニール床タイルなどがこれに該当することが多いです。

これらの材料は、建物の屋根材や外壁材、天井・壁・床の内装材、ダクトのパッキンなどに使用されています。

除去方法 

レベル3のアスベストを除去する際には、水や薬液を使って建材を湿らせたり、飛散防止の養生シートを使用します。飛散リスクが低いものの、破砕の危険性があるため、手作業での除去が一般的です。