アスベスト作業のマスク選定|種類・区分・工法別

解体・改修工事でアスベスト含有建材を扱う場合、マスク選びは作業者のばく露を防ぐための重要な対策です。必要な呼吸用保護具は、建材のレベルだけでなく、隔離の有無や切断・破砕の有無、使用する工具、作業内容などを踏まえて選定しなければなりません。
この記事では、アスベスト作業に携わる事業者・現場担当者向けに、マスクの種類、呼吸用保護具の区分、作業内容との対応関係、現場での選び方と管理方法までを整理します。
【本記事の要約】
・アスベスト作業のマスクは、建材のレベルだけでなく、隔離・工法・使用工具などから選定する
・成形板等を切断等せず除去する場合はRS2・RL2も使用できるが、切断等を伴う場合は原則としてRS3・RL3等が必要
・電動工具による切断等では、S級・PS3またはPL3で指定防護係数300以上のPAPR等を使用する
- 1. アスベスト作業でマスクの着用が必須なのはなぜ?
- 1.1. 石綿障害予防規則における保護具着用の義務
- 1.2. 着用を怠った場合のリスク
- 1.2.1. 健康被害のリスク
- 1.2.2. 法令違反時の罰則
- 2. アスベスト用マスクにはどんな種類がある?
- 2.1. 使い捨て式防じんマスク
- 2.2. 取替え式防じんマスク
- 2.3. 電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)
- 3. マスクの「区分」とは?作業内容との対応関係は?
- 3.1. 区分①〜④の性能
- 3.2. 区分と作業内容の対応
- 4. アスベストのレベル別にマスクはどう選ぶ?
- 4.1. レベル1(吹付け材)ではどう選ぶ?
- 4.2. レベル2(保温材・耐火被覆材・断熱材等)ではどう選ぶ?
- 4.3. レベル3(成形板等)ではどう選ぶ?
- 5. 現場でマスクを選ぶときのポイントは?
- 5.1. 顔にフィットするサイズ・形状を選ぶ
- 5.2. 正しく装着して密着性を確認する
- 5.3. 保護衣・作業衣と組み合わせる
- 6. マスクの管理・交換で注意すべきことは?
- 6.1. フィルターや使い捨てマスクはいつ交換する?
- 6.2. 使用後のマスクはどう処理する?
- 7. アスベスト作業のマスクについてよくある質問(FAQ)
- 7.1.1. Q1. レベル3の成形板除去ならRS2・RL2でよいですか?
- 7.1.2. Q2. レベル3なら使い捨て防じんマスクで作業できますか?
- 7.1.3. Q3. 電動ファン付き呼吸用保護具ならどの製品でも使用できますか?
- 7.1.4. Q4. マスクを着用する作業員に資格は必要ですか?
- 7.1.5. Q5. 「レベル3」と「区分③」は同じ意味ですか?
- 8. アスベスト作業では適切なマスクを選定しよう
アスベスト作業でマスクの着用が必須なのはなぜ?

石綿障害予防規則では、アスベスト等の切断等を伴う作業などについて、事業者に呼吸用保護具を使用させることを求めています。単にマスクを着用すればよいわけではなく、作業方法に応じて適切な性能を備えた呼吸用保護具を選ぶことが重要です。
石綿障害予防規則における保護具着用の義務
石綿障害予防規則第14条では、アスベスト等の切断等の作業などに労働者を従事させる場合、事業者が労働者に呼吸用保護具を使用させることなどを定めています。
具体的にどの性能の呼吸用保護具を選ぶかについては、石綿障害予防規則に加え、厚生労働省の技術上の指針や厚生労働省・環境省のマニュアルなどを確認する必要があります。
代表的な選定の考え方は次のとおりです。
- 隔離空間内部で行う除去等:電動ファン付き呼吸用保護具、または同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器、送気マスク
- 隔離空間外部で行う除去等:RS3・RL3の取替え式防じんマスク等
- 切断等を伴わない囲い込み、成形板等を切断等せず除去する作業:RS2・RL2の取替え式防じんマスクも使用可能
- 成形板等の除去作業場で、アスベストの除去等以外の作業を行う場合:取替え式または使い捨て式防じんマスク
つまり、「レベル3だから使い捨てマスクでよい」と一律には判断できません。実際にアスベスト除去等を行う作業者なのか、その作業場で除去等以外の作業を行う人なのかによっても、使用できる呼吸用保護具が異なります。
また、事業者は、アスベスト等が使用されている建築物、工作物または船舶の解体等作業に労働者を就かせる場合、法定の特別教育を行わなければなりません。保護具の使用方法も教育内容に含まれます。
着用を怠った場合のリスク
呼吸用保護具の未使用や不適切な使用は、作業者のばく露につながるだけでなく、石綿障害予防規則等に基づく措置義務に抵触するおそれがあります。
健康被害のリスク
アスベスト繊維の吸入は、石綿肺や中皮腫、肺がんなどの原因となるおそれがあります。解体・改修工事では、建材の種類や作業方法に応じて、アスベスト粉じんへのばく露を防止する措置が欠かせません。
法令違反時の罰則
石綿障害予防規則は労働安全衛生法に基づく省令であり、規定によっては違反した場合に罰則が適用されます。
労働安全衛生法第119条に該当する違反では、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。
なお、2025年6月1日から懲役・禁錮は拘禁刑に一本化されているため、2026年時点では「拘禁刑」と表記するのが適切です。
アスベスト用マスクにはどんな種類がある?

アスベスト作業で用いられる呼吸用保護具には、取替え式防じんマスクや電動ファン付き呼吸用保護具などがあります。使い捨て式防じんマスクもありますが、アスベスト除去等を行う作業者が幅広く使用できるものではありません。
使い捨て式防じんマスク
使い捨て式防じんマスクには、DS1〜DS3、DL1〜DL3の区分があります。粒子捕集効率は次のとおりです。
- DS1・DL1:80.0%以上
- DS2・DL2:95.0%以上
- DS3・DL3:99.9%以上
「D」は使い捨て式を表します。SとLでは性能試験に用いる粒子が異なり、Sは塩化ナトリウム粒子、Lは液体粒子を用いた試験による区分です。
ただし、アスベスト除去等を行う作業者が使い捨て式防じんマスクを自由に選べるわけではありません。
厚生労働省では、アスベスト含有成形板等の除去作業を行う場所で、アスベストの除去等以外の作業を行う場合に、取替え式または使い捨て式防じんマスクを使用する整理を示しています。
取替え式防じんマスク
取替え式防じんマスクは、ろ過材を交換して使用するタイプです。代表的な区分と粒子捕集効率は次のとおりです。
- RS1・RL1:80.0%以上
- RS2・RL2:95.0%以上
- RS3・RL3:99.9%以上
「R」は取替え式を表します。Sは塩化ナトリウム粒子、Lは液体粒子による性能試験に対応した区分です。
全面形と半面形があり、厚生労働省・環境省のマニュアルで用いられる呼吸用保護具の区分では、全面形面体のRS3・RL3が区分②、半面形面体のRS3・RL3が区分③に位置付けられています。
電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)
電動ファン付き呼吸用保護具は、電動ファンによって外気をろ過材に通し、清浄化した空気を面体などへ送り込む呼吸用保護具です。性能を確認する際は、主に次の区分を確認します。
- 粒子捕集効率:PS1・PL1、PS2・PL2、PS3・PL3
- 漏れ率:S級・A級・B級
- 風量:通常風量形・大風量形
粒子捕集効率はPS1・PL1が95.0%以上、PS2・PL2が99.0%以上、PS3・PL3が99.97%以上です。漏れ率はS級が0.1%以下、A級が1.0%以下、B級が5.0%以下とされています。
アスベスト作業では、単に「PAPRであるか」だけで判断せず、実施する作業に必要な粒子捕集効率、漏れ率、指定防護係数などを確認する必要があります。特に電動工具による切断等では、より具体的な性能条件が示されています。
| 種類 | 主な性能区分 | 粒子捕集効率・漏れ率の例 | アスベスト作業での位置付け |
|---|---|---|---|
| 使い捨て式防じんマスク | DS1〜DS3、DL1〜DL3 | 80.0%以上〜99.9%以上 | 使用できる作業が限定される |
| 取替え式防じんマスク | RS1〜RS3、RL1〜RL3 | 80.0%以上〜99.9%以上 | 除去等ではRS2・RL2またはRS3・RL3等を使用 |
| 電動ファン付き呼吸用保護具 | PS・PL、S・A・B級など | PS3・PL3は99.97%以上など | 隔離内部や電動工具による切断等で使用 |
マスクの「区分」とは?作業内容との対応関係は?

厚生労働省・環境省の「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」では、アスベスト作業で使用する呼吸用保護具を、防護性能に応じて区分①〜④に整理しています。2026年8月時点では、令和8年2月改正のマニュアルが最新版です。
区分①〜④は、石綿障害予防規則の条文にその名称で定められた法定区分ではなく、マニュアル等で呼吸用保護具を整理する際に用いられる区分です。
また、建材の「レベル1〜3」とも異なります。数字が似ていても、両者に直接の対応関係はありません。
区分①〜④の性能
区分①が最も防護性能の高いグループで、続いて区分②・③・④と整理されています。
| 区分 | 主な呼吸用保護具 |
|---|---|
| 区分① | 所定の性能を満たす電動ファン付き呼吸用保護具、複合式エアラインマスク、送気マスク、自給式呼吸器等 |
| 区分② | 全面形面体の取替え式防じんマスク(RS3またはRL3) |
| 区分③ | 半面形面体の取替え式防じんマスク(RS3またはRL3) |
| 区分④ | 取替え式防じんマスク(RS2またはRL2) |
区分②と区分③はいずれもRS3・RL3で、ろ過材の粒子捕集効率は99.9%以上です。主な違いは、全面形面体か半面形面体かという点にあります。
なお、使い捨て式防じんマスクは、この区分①〜④には含まれていません。
区分と作業内容の対応
呼吸用保護具は、建材のレベルだけではなく、「どこで、どの方法・工具を使って作業するか」を確認して選定します。
代表的な整理は次のとおりです。
| 作業内容 | 呼吸用保護具の目安 |
|---|---|
| 隔離空間内部での除去等 | 区分① |
| 隔離空間外部での除去等(電動工具による切断等を除く) | 区分①〜③ |
| 成形板等を切断等せず除去する作業 | 区分①〜④ |
| 切断等を伴わない囲い込み | 区分①〜④ |
| 成形板等の除去現場で除去等以外の作業 | 取替え式または使い捨て式防じんマスク |
| 電動工具によるアスベスト等の切断等 | S級・PS3またはPL3・指定防護係数300以上のPAPR等 |
特に注意したいのが、電動工具を使用する場合です。
厚生労働省の通達(基発0525第3号「防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」)では、電動工具を用いてアスベスト等の切断等を行う場合、漏れ率S級、ろ過材PS3またはPL3で、製造事業者によって指定防護係数300以上であることが証明された型式の電動ファン付き呼吸用保護具、または同等以上の指定防護係数を有する呼吸用保護具を使用することとしています。
また、アスベスト等の除去は原則として切断等以外の方法で行い、それが技術上困難な場合は湿潤化したうえで手工具を使用します。さらに、手工具による方法も困難で電動工具を使用する場合は、除じん性能を有する電動工具を使用するよう努めることが技術上の指針で示されています。
アスベストのレベル別にマスクはどう選ぶ?

「レベル1だから区分①」「レベル3だから区分④」のように、建材のレベルとマスク区分を一対一で対応させることはできません。実際のマスク選定では、建材の種類に加えて、隔離の有無や工法、切断等の有無、使用工具まで確認する必要があります。
レベル1(吹付け材)ではどう選ぶ?
吹付けアスベストなどの除去では、負圧隔離養生を行った隔離空間の内部で作業するケースがあります。
隔離空間内部では、電動ファン付き呼吸用保護具、またはこれと同等以上の性能を持つ空気呼吸器、酸素呼吸器、送気マスクを使用します。
ただし、「レベル1だから区分①」と建材だけで決めるのではなく、実施する作業や工法、隔離状況まで確認したうえで選定することが重要です。
レベル2(保温材・耐火被覆材・断熱材等)ではどう選ぶ?
アスベスト含有保温材、耐火被覆材、断熱材等についても、工法や切断等の有無によって必要な呼吸用保護具が異なります。
隔離空間内部で除去等を行う場合は、区分①の呼吸用保護具が必要です。一方、対象建材や施工状態によっては、切断等を避けて除去できる場合もあります。
そのため、「レベル2=区分○」と固定せず、対象建材、除去方法、隔離措置などを整理したうえで、最新のマニュアルや技術上の指針から必要な呼吸用保護具を確認してください。
レベル3(成形板等)ではどう選ぶ?
スレート板やケイ酸カルシウム板などの成形板等でも、アスベストを含有している場合は適切な呼吸用保護具を使用します。
原形のまま取り外すなど、切断・破砕等を伴わない除去では、RS2・RL2の取替え式防じんマスクを使用できます。
一方、切断・穿孔・研磨などを伴う除去では、隔離空間外で電動工具を使用しない場合、RS3・RL3の取替え式防じんマスク等が選定の基本です。
さらに、切断等以外の方法や手工具による方法が技術上困難で、電動工具を用いてアスベスト等を切断等する場合は、S級・PS3またはPL3で指定防護係数300以上のPAPR等を使用します。
| 建材・作業の例 | 作業方法 | 呼吸用保護具の考え方 |
|---|---|---|
| 吹付け材等 | 隔離空間内部で除去 | 区分① |
| 保温材・耐火被覆材等 | 隔離空間内部で除去 | 区分① |
| アスベスト含有建材 | 隔離空間外部で除去等 | 原則として区分①〜③ |
| 成形板等 | 切断等を伴わず原形のまま除去 | 区分①〜④ |
| 成形板等 | 手工具等で切断等を伴う除去 | 原則として区分①〜③ |
| アスベスト含有建材 | 電動工具による切断等 | S級・PS3またはPL3・指定防護係数300以上のPAPR等 |
※上表は代表的な整理です。建材の「レベル」だけで呼吸用保護具を決めず、事前調査結果、作業方法、隔離措置、使用工具、最新版マニュアル等を確認してください。
現場でマスクを選ぶときのポイントは?

必要な性能を満たしたマスクでも、面体と顔面の間にすき間があれば十分な防護性能を発揮できません。型式だけで判断せず、作業者の顔に適合しているか、正しく装着できているかまで確認しましょう。
顔にフィットするサイズ・形状を選ぶ
面体と顔の間にすき間があると、そこからアスベスト繊維を含む空気が入り込むおそれがあります。
作業者ごとに顔の大きさや形状に合った面体を選びましょう。
また、ひげ、もみあげ、前髪などが面体の接顔部と顔面の間に入り込むと、密着性が損なわれる可能性があります。防じんマスクは、顔面との密着性を確保した状態で使用することが重要です。
正しく装着して密着性を確認する
高性能な呼吸用保護具でも、装着方法が適切でなければ十分な防護性能を期待できません。
装着時には、少なくとも次の点を確認します。
- 面体やしめひもに異常がないか
- 接顔部に髪やひげなどが入り込んでいないか
- 面体と顔面が適切に密着しているか
- 吸気弁・排気弁やろ過材に異常がないか
日常的な使用では、装着の都度、面体と顔面の密着性を確認することが重要です。
なお、日常的な密着性の確認と、専用の方法で面体の適合性を評価するフィットテストは別のものです。石綿作業について、すべての作業者に一律の法定フィットテストが課されていると捉えないよう注意してください。
保護衣・作業衣と組み合わせる
アスベスト作業では、呼吸用保護具だけで防護が完結するわけではありません。
厚生労働省では、隔離空間内部での作業についてフード付き保護衣を使用することを示しています。隔離空間外部についても、作業内容に応じて保護衣または作業衣を使用します。
必要な装備は作業方法や作業環境によって異なるため、呼吸用保護具とあわせて作業計画の段階で確認しましょう。
マスクの管理・交換で注意すべきことは?

呼吸用保護具は、適切なものを選定・装着するだけでなく、使用前後の点検やろ過材の交換、アスベストを作業場外へ持ち出さないための管理まで徹底する必要があります。
フィルターや使い捨てマスクはいつ交換する?
アスベスト等を取り扱う作業で使用した取替え式防じんマスクのろ過材は、一般的な粉じん作業と同じように繰り返し使用することはできません。
アスベスト等を取り扱う作業で使用したろ過材は、付着したアスベストを作業場外へ持ち出さないため、1回使用するごとに廃棄することが厚生労働省の通達で示されています。
一方、使い捨て式防じんマスクを使用できる作業では、製品に表示された使用限度時間を確認します。使用限度時間に達する前でも、息苦しさを感じた場合や著しい型崩れが生じた場合には、新しいものへ交換してください。
使用後のマスクはどう処理する?
使用した呼吸用保護具等に付着したアスベストを、作業場外へ飛散させないことも重要です。
使用した保護具等は、他の衣服等から隔離して保管します。付着したアスベストを除去せず作業場外へ持ち出すことはできず、廃棄する場合は容器等に梱包して適切に処理する必要があります。
また、廃棄物処理法上の「廃石綿等」には、石綿建材除去事業において使用され、廃棄された防じんマスク、作業衣、プラスチックシートなどで、アスベストが付着しているおそれのあるものが含まれます。これらは特別管理産業廃棄物として適正に処理しなければなりません。
建材そのものの処分区分だけでなく、作業で使用した保護具やろ過材の扱いも事前に確認しておきましょう。
アスベスト作業のマスクについてよくある質問(FAQ)

アスベスト作業のマスクは、建材のレベルだけでは判断できず、切断等の有無や使用する工具、作業者の役割によって選定が変わります。特にレベル3や使い捨て式防じんマスク、PAPRについては誤解しやすいため、現場で迷いやすいポイントをQ&A形式で確認しておきましょう。
Q1. レベル3の成形板除去ならRS2・RL2でよいですか?
A.切断・破砕等を伴わず、成形板等を原形のまま取り外す場合はRS2・RL2を使用できます。一方、切断・穿孔・研磨等を伴う場合、電動工具を使用しなければ隔離空間外では原則としてRS3・RL3等を選定します。
Q2. レベル3なら使い捨て防じんマスクで作業できますか?
A.アスベスト含有成形板等を実際に除去する作業者について、「レベル3だから使い捨て式でよい」とは整理されていません。使い捨て式は、成形板等の除去現場でアスベストの除去等以外の作業を行う場合などに使用します。
Q3. 電動ファン付き呼吸用保護具ならどの製品でも使用できますか?
A.いいえ。作業に応じて粒子捕集効率や漏れ率などを確認する必要があります。電動工具でアスベスト等を切断等する場合は、S級・PS3またはPL3で、指定防護係数300以上が証明されたPAPR等を使用します。
Q4. マスクを着用する作業員に資格は必要ですか?
A.呼吸用保護具を装着すること自体に専用資格が必要というわけではありません。ただし、アスベスト等が使用されている建築物・工作物・船舶の解体等作業に労働者を就かせる場合、事業者には法定の特別教育を行う義務があります。
Q5. 「レベル3」と「区分③」は同じ意味ですか?
A.異なります。レベル1〜3はアスベスト含有建材を発じん性などから整理する際に用いられる分類で、区分①〜④はマニュアル等で呼吸用保護具を防護性能別に整理したものです。数字が一致していても、直接の対応関係はありません。
アスベスト作業では適切なマスクを選定しよう
アスベスト作業で使用するマスクは、建材のレベルだけでは判断できません。隔離空間の内外や切断・破砕の有無、使用する工具などによって、必要となる呼吸用保護具の種類や性能は異なります。
特に、成形板等を原形のまま取り外す場合と、切断・穿孔・研磨を伴う場合では必要な防護性能が変わります。まずは事前調査で対象建材のアスベスト含有の有無を確認し、作業方法や工法に応じて適切なマスクを選定しましょう。
マスクの要否・区分は、そもそも対象建材にアスベストが含有されているかどうかの事前調査結果が起点になります。アルフレッドでは、調査費用を極力抑えながらも、スピーディーで高精度なアスベスト分析を実施。安定して土曜日を含む3営業日以内の短納期で分析結果をお出しいたします。また、分析者や機器情報など詳細が記載される行政向け報告書の作成など、面倒な作業もお任せください。
【参考文献】
厚生労働省:「防じんマスクの規格」(昭和63年3月30日労働省告示第19号)
厚生労働省:「電動ファン付き呼吸用保護具の規格」(平成26年11月28日厚生労働省告示第455号)
厚生労働省:「防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」(令和5年5月25日付け基発0525第3号)
厚生労働省:石綿総合情報ポータルサイト「解体・改修作業に従事するみなさまへ」
厚生労働省:「石綿障害予防規則」
厚生労働省:「石綿使用建築物等解体等業務特別教育規程」
厚生労働省:石綿総合情報ポータルサイト「改正石綿則のポイント」
厚生労働省:「石綿事前調査結果報告システムについて」
環境省:「石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)」

1980年静岡県浜松市生まれ。2003年に東海大学海洋学部水産資源開発学科を卒業後、2004年に日本総研株式会社へ入社し、分析・環境分野でのキャリアをスタート。2011年には同社の原子力災害対策本部長に就任。その後、世界最大の分析会社グループEurofins傘下の日本法人にて要職を歴任。2017年にユーロフィン日本総研株式会社、2018年にはEurofins Food & Product Testingの代表取締役社長に就任。さらに、埼玉環境サービス株式会社取締役、ユーロフィン日本環境株式会社の東日本環境事業及び環境ラボ事業の部長も経験。2021年にアルフレッド株式会社を創業し、代表を務める。特定建築物石綿含有建材調査者、環境計量士(濃度)、作業環境測定士(第一種)、公害防止管理者(水質一種)の資格を保有し、20年以上にわたる環境・分析分野での豊富な実務経験と専門知識を活かし、持続可能な環境構築に貢献。
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